瑠璃色世代の呟き -論理後回し千日記-

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help RSS パラレルなパパ

<<   作成日時 : 2012/03/03 14:23   >>

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 桃の節句。
 毎週のこととて、娘の音楽教室に同行。前日積もった雪の厚さ。仙台のこの冬一、二か。

 昨日の午後、あっという間に吹雪き始めた。
 娘は折り畳み傘を持って出ていたろうか?置き傘があったろうか?取りあえず迎えに出た。
 小学校までの中間点を過ぎたあたりで、道路の反対側に姿を見つける。やはり傘はない。ランドセルと体操着袋を背負い、背を少し丸め、パーカーのフードを目深にしながら、降りしきる雪を突いて黙々と歩いている。
 何かの時のすれ違いを危ぶんで、必ずこの道を通るよう言って聞かせてあった。

 二度目の呼び掛けで気づいた。こちらに向けた顔がぱっと輝いたのが判った。
 横断歩道を渡ってくる足取りが弾む。「来てくれると思っていた」という。子供特有の媚びではなく真情と思えた。
 家では何か始めるとロクに振り向きもしないが、一緒に歩くとほぼ喋り詰めである。

 身の内に籠っていたもやもやが一時晴れた。

 人生残り十数年、これでいいのか?自分で自分の為に自分らしく生きるため、勤め人でなくなったのだが…
 このところ新聞の訃報欄が気に掛かる。
 「ナショナル」の泉大助氏84歳、幼少の頃TVで見ていたスマートな大人。存命でいらしたのだな。
 モンキーズのデイビー・ジョーンズ、私と5歳しか違わなかったのか。
 
 旧い名画をTVやDVDで観ていると、「パラレルワールド」という言葉が思い浮かぶ。
 そちらの世界ではまだ、思わず涙が滲むような底抜けの青空と緑なす大地、静寂のデザートトレイルを悠久の時が流れているのか?リッキー・ネルソンとディーン・マーティンが「ライフルと愛馬」を唄っているのではないのか?いや、唄っているのは小柄でシャイなガンマンの私ではないのか??

 後ろ向きと言われれば、そうかもしれない。

 彼らの如く記憶や記録やフィルムに名を残さずとも、娘と家族との日々を尊び、その胸に生き続けることこそ最高の幸せということも、よく分っているつもりだ。

 だがしかし、である。それはそれ、である。

 時や春、蠢動から胎動へ。
 汗流してなんぼ、身体動かしてなんぼの自分を、いま一度。
 パラレルな私である。

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